電気自動車の樹脂化は加速傾向!軽量化と機能性の向上を両立するめっき技術を解説

電気自動車 樹脂化 EV車

電気自動車の樹脂化は今後も拡大する見込み

電気自動車の樹脂化について解説いたします。

近年、カーボンニュートラルへの取り組みが加速する中、電気自動車(EV)及びハイブリッド車の市場が拡大しています。新型コロナウイルス感染症の影響や半導体不足が一時問題となったほか、各国の方針によって市場の成長に違いは見られますが、電気自動車やハイブリッド車などへの移行は進んでいます。

日本国内においては低価格帯の軽EV車が注目されています。国と自治体による補助もありますので、更に普及が進むものと予想されています。

電気自動車 樹脂化 イメージ

今後も普及が進むことが予想されている電気自動車ですが、性能面における課題として「車両の軽量化」があり、各自動車メーカーが取り組んでいます。

今回は、電気自動車の軽量化に欠かせない「樹脂化」をテーマに、樹脂化の詳細や課題、そして当社塚田理研のプラスチックめっきについてご紹介します。

部品の樹脂化は電気自動車(EV車)の軽量化を実現

部品の樹脂化による電気自動車(EV車)の軽量化について、ご紹介しましょう。

電気自動車の普及には、車両の価格と性能の2点が重要であると考えられます。

特に、性能面において一回の充電で走行できる距離を増やす「航続可能距離」が課題としてよく取り上げられています。この課題に対し、自動車メーカーでは「電池(バッテリー)の開発」と並行して「軽量化」にも取り組んでいます。

電気自動車 樹脂化 内部部品

軽量化は、エネルギー効率の改善につながる方法として知られています。一般的に、車の重さを10%削減すると、燃費は10%向上するといわれています。つまり、軽くすることで、エネルギー効率が向上するのです。

このような理由から軽量化は自動車の重要課題であり、樹脂化はその手段のひとつです。樹脂は金属よりも軽く、成形も容易であるため、コスト面でもメリットがあります。現在、汎用樹脂や高機能樹脂(スーパーエンプラなど)が部品の素材として使われています。

自動車向けの樹脂市場も今後成長することが予想されていることから、今後も樹脂化が進むことが考えられます。

自動車部品の樹脂化について、こちらでもご紹介しております。ぜひご覧ください。

自動車の樹脂化の動向を解説!軽量化や美観・機能性を両立させるめっき技術も紹介

熱問題やリサイクル性などの課題も

電気自動車の部品を樹脂化することは多くのメリットをもたらしますが、それに伴う課題も存在します。

電気自動車 樹脂化 プラスチックイメージ

●熱に弱い
樹脂は熱に弱いという点です。電気自動車に限らず、自動車の内部は高温となるため、樹脂が耐えられない場合があります。

●リサイクル性のニーズ
リサイクル性も昨今注目されているポイントです。
金属部品と比べて樹脂はリサイクルが困難な場合が多いため、環境への配慮を考えたリサイクル可能な樹脂の開発が求められています。

●金属の性能を活かした部品は置き換えが困難
金属の性質を活かした部品では樹脂化が困難な場合があります。
例えばECUケースは金属のケースがECUを保護するだけでなくEMC対策も兼ねているため、単純な置き換えはできません。

このように、熱やリサイクル性、また金属の性質を活かした部品における樹脂化は樹脂化の課題といえます。

めっきで機能性をプラス!塚田理研のめっき技術について

めっきは樹脂に機能性を付加する表面処理技術です。

めっき技術を活用することで、金属部品に匹敵する性能を持たせた樹脂部品の製造が可能となります。このため、樹脂化の適用範囲が広がり、多様な用途に対応する部品を製造できるようになります。

塚田理研は、めっきで加飾性(美観)と機能性を樹脂に与えるプラスチックめっきメーカーです。自動車産業においては、内外装だけでなく内部部品の樹脂化(金属からの代替)で多くの実績があり、自動車の性能の向上に貢献しております。

難めっき材であるスーパーエンプラへのめっき工法も確立しており、量産にも対応しております。

電気自動車 樹脂化 めっき製品

表面処理だけでなく、素材のご提案から対応しておりますので、ガソリン車・電気自動車などの軽量化(樹脂化)に関して幅広くご相談承ります。お気軽にご相談ください。

ここでは当社の提供しているめっき技術や特徴について、ご紹介します。

機能性を付与し、機能性と軽量化を両立

前述しましたが、めっきは樹脂に機能性(耐久性・放熱性・導電性)を付与し、機能性と軽量化の両立を実現できる表面処理技術です。

めっきによって自動車の性能要求に応じた部品の製造が可能となり、さまざまな部品への樹脂化が可能となります。

例えば、ECUケースやカーステレオケースなど、電磁波ノイズの影響を防ぐ働きのある部品では、簡単に樹脂に置き換えることはできません。電磁波ノイズを反射・吸収する性質を持つ金属と異なり、樹脂は絶縁体で電磁波ノイズを透過させてしまうからです。

このような部品に対しめっきをすることで、樹脂の表面に導電性が付与され、従来の金属製部品と同程度のシールド効果が得られます。シールド効果だけでなく、放熱性に優れた銅をめっきすることで熱対策としても有効です。

電気自動車 めっき事例

析出させる金属の選択によって、その金属の特性を樹脂に付与できる点はめっきの大きなメリットといえるでしょう。また、めっきの膜厚は非常に薄く、均一に析出するため寸法精度を要求する部品にも最適です。

このように、めっきは機能性が求められる部品を樹脂化し、軽量化を実現できる技術なのです。

金型の作成、射出成形、めっき、組立までを一貫生産にて承ります

当社では、金型の作成から射出成形、めっき、組立までの一連の流れを丸ごとお任せいただける一貫生産体制を整えております。ペレットの管理はもちろん、工程ごとの品質管理も徹底しておりますので、安心してお任せいただけます。

電気自動車 樹脂化 一貫生産

めっき以外の表面処理として塗装もご依頼いただけます。意匠性の高い塗装も得意としておりますので、美観が求められる部品の樹脂化もワンストップでご依頼いただけます。

プラスチックめっきのトップメーカーとして、高品質な製品の提供を通じ、お客様に手離れのよさ、確かな品質を感じていただけるよう、万全の体制を整えております。

当社の一貫生産体制の詳細につきましては、お気軽に当社までお問い合わせください。

当社の設備について

めっき技術、樹脂の開発にも積極的に取り組んでいます

製品の進化には、技術の進歩が不可欠です。

当社では、高い専門性を持つチームが、さまざまなご要望に応じためっき技術の開発を進めており、めっき試験や、工法の開発などに取り組んでいます。

電気自動車 研究開発

更に、他メーカーや大学と共同で、めっき技術や新素材の研究開発にも注力しております。

例えば、樹脂メーカーとめっきメーカーとの3社共同で、めっき可能なPPSコンパウンド「DIC.PPS MP-6060 BLACK」を開発し、量産も可能となりました。電気自動車など耐久性が要求される電子機器に適した素材です。

上記は一例ですが、モノづくりの表面処理の分野において、新しい技術・素材の研究科発に取り組んでおりますので、新素材へのめっき処理の可否や、工法の開発などお気軽にご相談ください。

電気自動車(EV車)の樹脂化のご相談は塚田理研まで

電気自動車(EV車)の樹脂化について、塚田理研ではご相談承っております。

このコラムでは、電気自動車の樹脂化について動向やメリットについて解説しました。これまでもご紹介しました通り、電気自動車の普及は進んでおり、品質向上のため電費改善を目的とした軽量化は自動車メーカーの課題のひとつといえます。

当社では自動車の部品の樹脂化に関する実績が多数ございます。電気自動車で使われる部品の樹脂化について課題がありましたら、お気軽に以下窓口までお問い合わせください。

【お問い合わせ先】
本社:0265-82-3256
東京営業所:042-444-1287
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