静電気除去は樹脂めっきで可能!発生の原因と対策方法をご紹介します

静電気除去 樹脂 加工事例

【静電気除去】樹脂の帯電の対策について

静電気除去は、樹脂製品によって重要な課題となる場合があります。

樹脂は汎用樹脂から高機能な性質を持つエンジニアリングプラスチックなど、様々な種類があり、幅広い用途で使われている素材です。電子製品などでは、製品の軽量化のため樹脂への置き換えが進められており、ますます樹脂のニーズは拡大しています。

静電気除去 樹脂 プラスチック

注目を集める樹脂ですが、便利である一方で樹脂は帯電しやすいという特徴があります。帯電、つまり静電気は製品の故障などトラブルの原因となる場合がありますので、静電気除去や対策は重要です。

今回のコラムでは、樹脂の静電気が起こる原因や、起こりうるトラブル、静電気除去や対策として貢献する当社のめっき技術についてご紹介します。

樹脂製の部品の静電気除去、対策で課題がありましたら、ご参考ください。

静電気が発生する原因(仕組み)

静電気が発生する原因(仕組み)について、最初にご紹介しましょう。静電気は樹脂に限らず、全ての物質で起こる可能性のある現象です。

静電気除去 樹脂 放電イメージ

物質は電荷(プラスとマイナス)を持っています。物質同士が擦れあうと、物質内の電荷が移動し、物質の持つ電荷はプラスまたはマイナスに偏った状態となります。この状態を帯電と呼び、物質の中の電荷は「動いていない状態」であるため、静電気とも呼ばれます。

帯電状態の物質は、電荷のバランスをとるために他の帯電している物質に近寄ると、自分が持つ過剰な電荷を放出し、他の電荷と結合しようとします。この時、一時的に電流が流れます。この電流を静電気の放電といいます。

このように静電気とは物質同士の摩擦によって電荷が移動し、プラスまたはマイナスのどちらかに偏り動かなくなる(=帯電)現象のことなのです。

ただし、帯電のあとに放電をし、帯電状態を解消するのは導電性のある素材のみとなります。

樹脂はなぜ静電気が発生しやすいのか?

これまで静電気が起こる仕組みについてご紹介しましたが、樹脂の場合、どのような現象が見られるのでしょうか。

基本的に樹脂は絶縁体であり、電気を通す性質がありません。前述の通り、導体であれば電荷の移動ができるため、放電や接地などで静電気除去は可能ですが、樹脂は絶縁体のため、電荷の移動ができず帯電した状態のままとなります。

このように、樹脂は導電性がないために静電気除去ができず、帯電状態が解消しにくいことから、静電気が発生しやすい、静電気トラブルが起こりやすい素材とされているのです。

樹脂の静電気(帯電)によるトラブルについて

樹脂の静電気によって、以下のようなトラブルの発生が考えられます。

  • 埃の付着
  • 電子部品(半導体など)の誤作動や故障
  • 火災や爆発などの事故

最初に埃の付着が挙げられます。帯電した樹脂は埃などを吸着しやすいため、製品の美観を損ないます。

また、半導体などの電子部品では異物混入の原因のほか、微細な電気が製品に流れることで回路に影響を与えてしまいます。静電気の放電によって破壊も起こり得るので、このような製品では静電気除去の対策は必須となります。

更に危険物を取り扱う工場では、静電気によって重大な事故(火災等)を引き起こす可能性があるため、静電気除去は重要です。

静電気は身近な現象ではありますが、このようなトラブルや重大な事故を引き起こす可能性がありますので、静電気発生の防止、静電気除去の対策は必要といえるでしょう。

樹脂の静電気除去はめっきで解決!当社のめっき技術をご紹介

樹脂の静電気除去は、安定して製品を使用するために重要な対策のひとつです。

静電気除去の方法は様々な方法(発生防止(摩擦・接触回数を減らす)、除電ができる装置の設置、多湿化など)がありますが、そのうちのひとつの選択肢として樹脂(絶縁体)への導電性の付与があります。

【静電気除去】導電性を樹脂に付与する選択肢

  • 樹脂表面への導電性塗装・めっき
  • 金属フィラーを添加させた樹脂の使用

この中でもめっきは樹脂表面を金属の膜で覆う技術で、導電性はもちろんのこと金属と同じ機能性を樹脂に付与することができます。

静電気除去 樹脂 めっき 加工事例

めっきをする金属によって、強度、耐摩耗性、シールド性、放熱性などの機能が得られるため、金属製部品からの置き換え(金属代替)も可能です。

当社、塚田理研は樹脂専門のめっきメーカーであり、これまで様々な樹脂へのめっきに対応してまいりました。通常のプロセスではめっきができないエンプラやスーパーエンプラなどの難めっき材へのめっき工法も確立しており、実績が多数ございます。(※量産にも対応)

静電気除去につきましては、産業機器・クシ等の製品でめっきによる改善の実績があります。

静電気除去 樹脂 めっき 加工事例

※上の画像は当社の加工事例です。「JP CHROME-TECH®加工」により、ブラッシング時のダメージを防ぎ、髪の広がりも防ぎます。

また、当社には専門性の高い技術チームもおりますので、静電気除去をはじめ、お客様の抱える様々な課題を解決するご提案も可能です。新素材へのめっきや試作等につきましてもお気軽にご相談ください。

樹脂の静電気除去・対策のご相談は塚田理研まで

樹脂の静電気除去、対策は塚田理研までご相談ください。

今回は静電気が発生する仕組み、樹脂が帯電しやすい理由、そして静電気除去の選択肢のひとつとしてめっきをご紹介しました。

当社は樹脂専門のめっきメーカーであるため、幅広い樹脂へのめっきに対応しております。

難めっき材といわれる特殊な樹脂へのめっきも加工実績がございますので、他社で断られてしまった樹脂へのめっきもぜひお気軽にご相談ください。

めっきは樹脂における様々な課題を解決できる可能性のある技術で、当社はこれまで多数の樹脂に関わる課題解決に取り組み、めっきで解決のお手伝いをしてまいりました。

静電気除去をはじめ、「樹脂にめっきでこんな機能を付与したい」等のご要望やご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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本社:0265-82-3256
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