光造形材へのめっき加工の可否について
3Dプリンターの技術向上に伴い、試作品や展示品の製作において3Dプリンターが活用される機会が増えてきました。これに伴い、加飾性や機能性の付与を目的に3Dプリンター造形品へのめっきのニーズが高まっています。
3Dプリンターで使用される素材にはさまざまな種類がありますが、その中のひとつに「光造形材」があります。
光造形材とは、光造形方式で使われる素材です。光造形方式とは液体の光硬化性樹脂をUVライトやレーザーで一層ごとに硬化させながら積層し、造形物を作り出す方式です。光造形方式は表面が滑らかで繊細な形状を作り上げることができるため、造形品に外観の良い仕上がりが求められる場合に適しています。
しかし光造形材は素材の特性上、めっき加工の難易度が高く密着性が確保しにくい素材であり、外観モデルとしての活用において課題となります。
このようなめっきの課題に対し、当社塚田理研は独自の工法を開発したため、光造形材へのめっき加工に対応しております。
今回のコラムでは、光造形材へのめっきの難易度が高い理由、そして当社が提供するめっき技術について詳しく解説します。
光造形材へのめっきの難易度が高い理由
光造形材によって作り出された3Dプリンター品へのめっきの難易度が高い理由として、「素材」が挙げられます。
光造形方式では素材にアクリル系樹脂が使用されるケースがほとんどです。このアクリル系樹脂は難めっき材であり、通常のめっきプロセス(湿式めっき)で金属皮膜の形成は可能ですが、密着性に劣るためすぐに剥がれてしまいます。
●めっき処理をした光造形材
このため、光造形材(アクリル系樹脂)へのめっきは難しいとされており、めっきをつける場合には、乾式めっき(スパッタリングなど)によって加工するケースが一般的です。
しかし、乾式めっきの場合も通常のめっきと比較すると密着性に劣るため、課題は残ると言えるでしょう。
塚田理研の技術「TP-3DArt」で光造形材へのめっきを実現
当社は3Dプリンターで造形された品へのめっきの課題に対し、高密着なめっき加工を可能とする工法「TP-3DArt」を開発しました。
TP-3DArtは、従来のめっき技術では密着性の確保が難しいとされていた各種3Dプリンター用樹脂に対し、高密着なめっき加工を可能とする工法です。特殊な前処理を施すことで、3Dプリンター用の樹脂に密着性の高いめっき皮膜を形成し、本物の金属感(外観)の表現が可能です。
光造形材にも対応しており、試作品や展示会などの用途に最適です。めっきで本物の金属感を得られることで、精度の高い試作開発が可能となります。光造形材をはじめ、3Dプリンター製のモデルへのめっきで課題がありましたら、お気軽に当社までご相談ください。
※造形方法や形状、素材の種類によってはTP-3DArt工法が適用できない場合もあります。その場合は、適切なめっきプロセスをご提案いたします。
光造形材のめっきなら塚田理研へご相談ください
光造形材は、3Dプリンターの活用が進む中で試作や製品開発に欠かせない素材となっています。しかし、めっきの密着性の確保が難しく、剥がれやすいため、外観モデルとしての活用など使用用途によっては課題がありました。
塚田理研では、このような課題を解決するため「TP-3DArt工法」 を開発しました。TP-3DArt工法により、光造形材をはじめ、3Dプリンター樹脂への高密着なめっき加工が可能となります。造形方式や素材によってTP-3DArtが適さない場合も、その他のプロセスのご提案が可能です。
光造形材へのめっき加工をご検討の際は、お気軽に以下の窓口までご相談ください。
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本社:0265-82-3256
東京営業所:042-444-1287
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